縁切り祈願 ”苦しいときの神頼み” 縁切りの社寺


 

菊野大明神(京都市二条河原町、宝雲寺境内)
 悪縁を切る神として信仰されていて、社殿には祈願の札 がかかげられてある。祈願する人は水を供え、灯明をあ げてから、社殿をぐるぐる回って祈ると効果があるとい う。
戻橋(京都市上京区一条通堀川)
 現在、堀川が架けられた小さな橋である。昔、藤原時代 の学者三善清行が没して、その葬儀のかごがこの橋にさ しかかった際、子の浄藏貴所が父の葬儀に参列したいと 願って、熊野から急ぎ架けつけて、この橋で会い、仏天 に祈って蘇生させた伝説から、戻り橋の名が起きたとい う。今日では婚礼の時は、この橋を通らない習慣になっ ていて、不縁の故事が伝えられる。
持明院(大阪市天王寺区壬生町)
 真言宗の寺院で、数少ない縁切り寺の一寺として、男女 の縁を切りたいという願う女性の参詣が多い。また、開 運、縁結びの神が、縁切りの神と同居して祀られている。  縁切り神は橋姫大明神である。
不空院(奈良県高畑福井町)
 不空院は新薬師寺の近くにあり、本堂に向かって左側に 高さ一メートルの小さな社が仲良く並んでいる。左側は ”縁結びの神”で右側は”縁切りの神”である。一緒に 祀られて有るのは矛盾が感じられるが、これは庶民信仰 には昔から、何でも一緒に祀るという傾向があった名残 りではなかろうか。
立石寺(山形市山寺)
山寺という愛称と芭蕉の名句で全国的に知られ、何時も観光客が多い名刹ですが、悪縁切りの寺としても有名。厄除け・災難除けの霊験はすでに知られる所で、悪縁はまさに最悪の災難ですから、これも絶ってくれると信じに至るのはごく自然であっつたに違いありません。
縁切稲荷(栃木県足利市八幡町)
お稲荷さんですから五穀豊穣や商売繁盛の神様です。それらを現実にするために災難災害を除いてくれるわけで、さらには人間関係での災難も除いてくれると言う事で縁切りの稲荷さんとなったと言われています。お参りの時は男女背中合わせの絵のある絵馬を奉納するのが習いでした。
田宮稲荷(東京都新宿区左門町)
アベックで行ってはいけません。鶴屋南北の「東海道四谷怪談」にちなんで有名な稲荷社。田宮家三代目に実在したお岩さんの霊を祀っています。お岩さんは夫に崇りをなしたと言われ、この話を元に四谷怪談は製作されました。一般の参拝は縁切り祈願です。昔からここにお参りすれば、悪縁は絶たれ良縁が結ばれるといい、女性の参拝が多いのは、悪夫に苛められ殺されたお岩さんゆえでしょう。
縁切榎(東京都板橋区)
諸々の縁切り絶ちで非常に有名。昔この榎の下を通った女性は、結婚してもすぐさま夫婦仲が悪くなり、離婚までいってしまうと言われ、とても嫌われたのですが、それなら悪縁からも逃げられるわけ!と縁切り祈願のメッカとなりました。ここは、男女の縁切りのみならず、酒好きの者が酒嫌いになる等の験のありと。
橋姫神社(京都府宇治市宇治蓮華町)
神社の祭神は宇治橋の守護神である勢織津姫で、「橋姫」と呼び、また、住吉明神は、かつて盛んだった宇治川舟運を守護してもらうために祀ったものです。橋姫は嫉妬の神、縁切りの神とされ、男を恨む女の縁切祈願が盛んでした。
瑞光寺・元政庵(京都市伏見町深草坊町)
昔から女性の縁切り祈願で有名です。嫌いな男から切れたい、うるさい男に離れてほしい時は、駒下駄を履いて21日間参詣を続け、祈願し21回目のお参りが済んだその日に竹の葉を一枚頂いて男の襟に縫込むと、願いどおりに縁が切れると言う事です。
安井金毘羅宮(京都市東山区下弁天町)
1695年讃岐の金毘羅宮を勤請した安井門跡の鎮守社。江戸時代以降現在までの奉納された絵馬が有名です。この中に男断ち祈願の絵馬・縁切り祈願の絵馬が並び縁切り社っろして知られています。しかしまた、縁結びの社でもある。本殿脇にアーチ型の祈願石がありこれを表から裏へ抜けると「縁切り」、裏から表に抜けると「縁結び」が叶うとされています。抜け方を間違わないように。Aとは切れBとは結ばれたいのなら、まず縁切りの方を先に。
東慶寺(神奈川県鎌倉市山の内松ヶ岡)
元寇の役(1284年)北条時宗の夫人が覚山尼となり東慶寺をたてて開山尼僧となった。当時の女性が一度嫁ぐと夫が妻に対してどんな理不尽な行いをしても、夫の同意がなければ離婚する事ができなかった。生涯その身は不運に泣き悲惨な運命であった。こうした多くの女性を、寺で救うことを志したのが東慶寺の建立の動機であった。そして夫と別れたいと願う女性を妻たちを東慶寺に入れ三年間この寺に身を置けば、自動的に離婚が成立する事を定めた願を覚山尼は、我が子の執権貞時に申請して法定化した。更に勅許を頂いて「縁切り寺」として基礎を定めた。
満徳寺(群馬県)
徳川家の先祖である徳川義秀の息女、浄院尼公によって創建された。この寺で三年間在住して、妻が頭髪を切って、夫のもとへと届ければ、あとは他に再嫁する事が自由が認められていた。

[縁切りの祈願と丑の刻参り」
草木も眠るウシミツドキ(午前二時頃)白い着物を着た女が、独り高下駄を履き、頭の上にゴトクを載せ、これにロウソクを立てた火を灯して神社に参り、藁人形を恨
めしい相手に見立てて、杉の木に五寸釘を打ち付けて、相手の害を祈るというものです。相手が狂い死にすると言われている方法です。




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